2016年11月末時点の死刑制度の廃止国(10年以上死刑を執行していない事実上の廃止国を含む)は141カ国、死刑制度の存置国は57カ国であって、

世界の3分の2の国が死刑制度を廃止ないし停止しています。                

死刑存置国の中でも実際に死刑を執行している国はさらに少なく、2012年は21カ国、2013年は22カ国にすぎません。

また、死刑制度の廃止はEUの加盟条件となっており、欧州の大部分の国で死刑制度が廃止されています。

いわゆる先進国の中で死刑制度の存置国とされるのは日本とアメリカだけですが、アメリカにおいては18の州で死刑制度が廃止されています。

国際連合においては、1989年12月15日にいわゆる死刑廃止条約が採択され、我が国に対して再三にわたり死刑制度の廃止に向けた措置を講ずることが求められています。

さらに、2007年12月18日には、すべての死刑存置国に対して死刑の執行停止を求める決議が総会で採択されました。

2008年10月30日には、国際人権(自由権)規約委員会が、第5回日本政府報告書審査において、我が国に対して「政府は世論にかかわらず死刑制度の廃止を前向きに検討し、必要に応じて国民に対して死刑制度の廃止が望ましいものであることを知らせるべきである。」と勧告しています。

さらに、2014年7月24日の国際人権(自由権)規約委員会が第6回日本政府報告書審査においても、死刑確定者の処遇や手続き保障などへの懸念が表明し、袴田事件にも言及し、死刑の廃止を十分に考慮すること、執行の事前告知や処遇の改善、全面的証拠開示など不当な死刑判決に対する法的な安全装置を即時に強化すること、死刑事件における義務的かつ効果的な再審査制度の確立、死刑確定者の精神状態の健康に関する独立した審査制度の確立、自由権規約第二選択議定書への加入を考慮すること等を勧告しています。

 

このように死刑制度の廃止は国際的な潮流です。

 

多くの国が死刑制度を廃止し、国連が上記のような決議、勧告を実施したのは、基本的人権として生命が根源的に重要であり、誤判の場合に取り返しがつかないということが広く認識されるようになったからです。



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 我が国が基本的人権を尊重する国として、国際社会において責任を果たすためには、まず我が国自身が、

どのような犯罪にも死刑制度という方法では対処しないという立場を明確にするべきです。

 

(1) 誤判の場合に取り返しがつかないこと

(2) 犯罪抑止効果の存在が実証されていないこと

(3) 死刑制度が刑罰の目的の一部しか達成しえないものであること

(4) 死刑が残虐な刑罰であること

(5) 国家が人の生命を奪うことを正当化できないこと

(7) 死刑制度は私たち全員が責任を負うべき問題であること

(8) 死刑制度が廃止されるべきこと