死刑制度については、その存廃について様々な議論があります。

犯罪によって他人の生命を奪った人に対する究極の制裁として国家が被害者に代わってその生命を奪うべきであるとの価値観を個々の人々が持つことについて、私たちは否定するものではありません。

被害者と被害者遺族に加害者を赦すことを求めようとするものでもありません。

ただ、人の生命はもっとも基本的かつ根源的な人権であり、なによりも尊重されなければならなりません。

だからこそ、死刑制度は廃止されなければならないのです。

あらゆる生命は、犯罪や戦争によって奪われてはならないのと同じように、刑罰によっても奪われてはなりません。

人は必ず間違えます。

たとえ裁判の結果であったとしても、その裁判は人が行うものである以上、そこには必ず誤りがありえます。

誤る可能性のある裁判によって人の生命を奪うことは決して許されません。

基本的人権の擁護を使命とする弁護士として、私たちは、生命という最も重要な人権を侵害する死刑制度を廃止するために全力を挙げて取り組みます。

 

 

 

 

(1) 誤判の場合に取り返しがつかないこと

(2) 犯罪抑止効果の存在が実証されていないこと

(3) 死刑制度が刑罰の目的の一部しか達成しえないものであること

(4) 死刑が残虐な刑罰であること

(5) 国家が人の生命を奪うことを正当化できないこと

(6) 国際的な潮流であること

(7) 死刑制度は私たち全員が責任を負うべき問題であること